07:30
【古墳ファイル 2(大阪府)】
高井田横穴群(たかいだよこあなぐん)
匠の技が冴える横穴群

柏原市立歴史資料館です。

館内にある柏原市の立体地図。大和川と石川が合流する地域で、旧大和川が付け替えられた場所であることがわかります。

赤い点はすべて古墳です。現在確認されているだけでも1500基近く、そのほとんどが10m〜20mの円墳で、6世紀後半から7世紀末の間に築かれたもののようです。

資料館の紹介は割愛しますが、この古地図(攝河兩國水脉図・摂河両国水脈図)はちょっと気になった。大和川が付け替えられる前のもので開削ルートが記されています。

資料館を出て最初に現れたのがこの横穴。柵があり中に入れないのが残念です。

その横に横穴内部に描かれている壁画のレプリカが展示されています。

不思議な絵が刻まれています。とんがり帽子とウエストが絞られた上着に太いズボン。

こっちはとんがり帽子に南蛮人のような衣装。右の絵には小さく子供が描かれているのでしょうか。ごれも踊っているようにも見えて面白い。

入口はかなり厳重。

中はなにやら計測器中。壁画がわかりますでしょうか。さっきの絵は見えにくいですが実物はやはりちがう。

この辺りは第3支群というエリア。

柵の中には入れませんが横穴の入口はこのようになっています。

このエリアは、横穴と横穴の距離がほどよい距離にある感じです。

資料館から下りてきた公園の入口に史跡の石碑がありました。

再び資料館の方にもどる途中、向こうの竹薮の下に下りて行きました。

階段を下りた壁面に古墳が3つ並んでいます。かなり近距離にあるので埋葬者は家族だったのでしょうか。

中はこのように直線的。地面には排水溝のようなものがありますね。

端から反対側を見たところ。奥にもうひとつ古墳があります。

第3支群13号墳。

ここは天井が低いような気がします。壁面に絵のようなものが刻まれていますね。奥に石棺のようなものも見えます。

公園内の丘の上に高井田山古墳があるので上ってみました。

プレートには直径22mの円墳であったと書かれています。

現在は上の土が残っておらず、天井も破壊されて玄室があらわになった状態。

このように透明屋根で覆われています。

近畿地方では最古の横穴式石室のひとつと考えられているようで、出土した土器から5世紀末の古墳だと考えられています。

古墳が破壊されていたわりには出土品が結構多く出ていますね。
さて、

今度は第2支群の古墳を見ていきます。

6号墳です。ここは未完成の横穴だそうで、工具の跡が残っているのだとか。

奥に入って行くといままでの古墳とすこし雰囲気が違う。岩に囲まれた横穴って感じがします。

右側面に削った跡が残っていますね。どのような工具で削っていたのでしょうか。すでに鉄鑿が使われていたのかもしれませんね。改めて見ると当時の石の加工技術は凄かったのだと感心させられます。最先端技術が投入されていたのかもしれないな。まさに匠の技です。

こちらは3〜5号墳です。このように一本の墓道から分かれて作られた横穴はひとつの家族によって次々に作られたものだと考えられています。

とてもバランスよく3つの横穴が並んでいますね。不動産的にいうと三世帯独立型墳墓といったところでしょうか。

近寄ってみましょう。

5号墳です。

4号墳です。

さきほどの6号墳とは雰囲気が違いますね。職人の技術力も明らかに違うように感じます。

入口から墓道を見たところ。

これは第2支群の分布図です。黒い印は未調査の横穴。

次は10〜17 号墳を見てみましょう。

ここは11号墳のほぼ真上に10号墳が作られています。二階建て上下分離型墳墓という感じでしょうか。

これは、14号墳と17号墳を横から見たところです。

このように側面の大きな穴が空いていて中が見えます。ちょっと見えにくいですが右奥に作り付けの石棺があります。

ここは正面から見るとかなり複雑に入り組んだ状態です。12号墳の上に14号墳が作られているのですが、墓道の角度が違うので交差している感じで、さらにそれらに寄り添うように17号墳が造られています。強いていうなら、二階建て中二階三世帯入り乱れ型墳墓といったところでしょうか。
最初に紹介したように、高井田横穴群はとても狭いエリアの古墳群で、山に奥には数えきれないほどの古墳があります。その中にも面白い古墳があるに違いない。いつか探し歩きに行きたいと思います。
より大きな地図で 大阪高低差学会 古墳部 を表示
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「古墳ファイル 3(奈良県)馬見古墳群」 2014.07.10
「1分で巡る古市古墳群45基」2014.08.08
十三のいま昔を歩こう
「大阪高低差学会・古墳部」 2014.07.04
「玉手山古墳群〜安福寺横穴群」 2014.07.26
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館内にある柏原市の立体地図。大和川と石川が合流する地域で、旧大和川が付け替えられた場所であることがわかります。

赤い点はすべて古墳です。現在確認されているだけでも1500基近く、そのほとんどが10m〜20mの円墳で、6世紀後半から7世紀末の間に築かれたもののようです。

資料館の紹介は割愛しますが、この古地図(攝河兩國水脉図・摂河両国水脈図)はちょっと気になった。大和川が付け替えられる前のもので開削ルートが記されています。

資料館を出て最初に現れたのがこの横穴。柵があり中に入れないのが残念です。

その横に横穴内部に描かれている壁画のレプリカが展示されています。

不思議な絵が刻まれています。とんがり帽子とウエストが絞られた上着に太いズボン。

こっちはとんがり帽子に南蛮人のような衣装。右の絵には小さく子供が描かれているのでしょうか。ごれも踊っているようにも見えて面白い。

入口はかなり厳重。

中はなにやら計測器中。壁画がわかりますでしょうか。さっきの絵は見えにくいですが実物はやはりちがう。

この辺りは第3支群というエリア。

柵の中には入れませんが横穴の入口はこのようになっています。

このエリアは、横穴と横穴の距離がほどよい距離にある感じです。

資料館から下りてきた公園の入口に史跡の石碑がありました。

再び資料館の方にもどる途中、向こうの竹薮の下に下りて行きました。

階段を下りた壁面に古墳が3つ並んでいます。かなり近距離にあるので埋葬者は家族だったのでしょうか。

中はこのように直線的。地面には排水溝のようなものがありますね。

端から反対側を見たところ。奥にもうひとつ古墳があります。

第3支群13号墳。

ここは天井が低いような気がします。壁面に絵のようなものが刻まれていますね。奥に石棺のようなものも見えます。

公園内の丘の上に高井田山古墳があるので上ってみました。

プレートには直径22mの円墳であったと書かれています。

現在は上の土が残っておらず、天井も破壊されて玄室があらわになった状態。

このように透明屋根で覆われています。

近畿地方では最古の横穴式石室のひとつと考えられているようで、出土した土器から5世紀末の古墳だと考えられています。

古墳が破壊されていたわりには出土品が結構多く出ていますね。
さて、

今度は第2支群の古墳を見ていきます。

6号墳です。ここは未完成の横穴だそうで、工具の跡が残っているのだとか。

奥に入って行くといままでの古墳とすこし雰囲気が違う。岩に囲まれた横穴って感じがします。

右側面に削った跡が残っていますね。どのような工具で削っていたのでしょうか。すでに鉄鑿が使われていたのかもしれませんね。改めて見ると当時の石の加工技術は凄かったのだと感心させられます。最先端技術が投入されていたのかもしれないな。まさに匠の技です。

こちらは3〜5号墳です。このように一本の墓道から分かれて作られた横穴はひとつの家族によって次々に作られたものだと考えられています。

とてもバランスよく3つの横穴が並んでいますね。不動産的にいうと三世帯独立型墳墓といったところでしょうか。

近寄ってみましょう。

5号墳です。

4号墳です。

さきほどの6号墳とは雰囲気が違いますね。職人の技術力も明らかに違うように感じます。

入口から墓道を見たところ。

これは第2支群の分布図です。黒い印は未調査の横穴。

次は10〜17 号墳を見てみましょう。

ここは11号墳のほぼ真上に10号墳が作られています。二階建て上下分離型墳墓という感じでしょうか。

これは、14号墳と17号墳を横から見たところです。

このように側面の大きな穴が空いていて中が見えます。ちょっと見えにくいですが右奥に作り付けの石棺があります。

ここは正面から見るとかなり複雑に入り組んだ状態です。12号墳の上に14号墳が作られているのですが、墓道の角度が違うので交差している感じで、さらにそれらに寄り添うように17号墳が造られています。強いていうなら、二階建て中二階三世帯入り乱れ型墳墓といったところでしょうか。
最初に紹介したように、高井田横穴群はとても狭いエリアの古墳群で、山に奥には数えきれないほどの古墳があります。その中にも面白い古墳があるに違いない。いつか探し歩きに行きたいと思います。
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コメント
maruco | URL | pSJ6Fihk
びっくり!!
先月行ったばかりです
別の目的で高井田駅で降りたのですが、
前から気になっていたのでさくっと見て回りました
新之介さんの記事をみてもう一度ゆっくり見に行こうと思いました
( 23:25 [Edit] )
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