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西宮の古代地形を歩く

00:30

西宮は入り海だった
そんな古代の地形を散歩しよう

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兵庫県西宮市に鎮座する広田神社の境内に、このような地図の説明板がある。特に左の地図がとても興味深い。

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地図には「古代遺跡(3〜4世紀)と現代の西宮」とあり、古代の地形図に古墳や須恵器などが出土した場所がプロットされている。中でも一番気になるのは、西宮の中心地一帯が海であったという事だ。これは早速調べないと。ということで、この地図の元となる地図を探してみました。

「西宮市史第一巻」より
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この地図は「西宮市史第一巻」に載っていた「津門の入り海の推定復元図」。広田神社にあった地図はかなりデフォルメされていましたが、こちらは忠実に古代の入り海の海岸線が書かれている。海岸線に沿って須恵器や弥生式遺物が出土しているのがよくわかります。津門(つと)では銅鈬も出土していたようですね。津門は、かつて栄えた港町。この入り海はよい船溜まりで、大陸往復の船が難波津へ入る前後に立ち寄ったであろうといわれており、日本書紀に見られる務古水門(むこのみなと)であるという説もある。

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この地図の範囲をカシミール3Dで見てみた。すると確かに「津門の入り海の推定復元図」と類似する地形が見えてくる。

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それらを重ねるとこのようになった。現在の地形は、都市化で低地の大部分が整地されていますが、わずかに古代の高低差の名残が残っているように見える。この地形で特徴的なのが、夙川下流域から東へ一直線に突き出た砂嘴(さし)部分。さらに先端の海側に大きなコブのような砂洲ができている。これは、夙川がこの入り海に流れ込んでいた証であり、夙川から流れてきた土砂が自然に堆積してできた地形であると思われます。

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さらに航空写真と重ねるとこのようになる。入り海に流れ込んでいたであろう夙川と御手洗川の推定流路を入れてみました。

この入り海は、万葉集に詠まれたのを最後に、記録や史料から姿を消してしまいます。おそらく、夙川と御手洗川から流れた土砂が港の機能を奪い、しだいに陸地化していったのでしょう。海に突き出たコブのようなエリアは宮水が湧き出る場所として有名な宮水地帯。六甲山地を源として夙川や御手洗川の清冽な水が、地下に浸透して伏流になりこの地下を流れています。宮水が酒造用水として無比の霊水といわれる所以は、塩分と硬度が比較的高いところ。それは、かつてこの地域一帯が入り海であったことと関係があるのかもしれません。

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すこし視点を変えて見てみましょう。

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2つの画像を見比べて古代の地形をイメージするのも面白いかもしれませんね。

さて、
この西宮エリアを手始めに、阪神エリアの古代地形をこれから巡り歩いてみようかと考えています。それらのレポートは追々「十三のいま昔を歩こう」で紹介する予定です。とりあえずダイジェストでこのエリアの紹介を。

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こちらは広田神社。「伊勢大神宮御同体」の兵庫県下第一の御社格御由緒の大社です。

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西宮神社。全国のえびす神社の総本山です。

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越木岩(こしきいわ)神社本殿の奥にご神体の「甑岩(こしきいわ)」があります。森の中には古代信仰の祭祀場である巨石群もありアースダイビングする上でも、とても興味深い場所です。

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入り海の中州であった場所にはなぜか巨木がたくさん残っています。これは西宮市役所前の楠の巨木。

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市役所の東隣、海清寺の大クス。樹齢約600年でこの周辺では一番の巨木。

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宮水発祥之地の碑。
清酒桜正宗の醸造元である山邑太左衛門が、天保十一年(1840)にこの地で汲んだ水で仕込んで美酒を得ました。これが宮水の発見とされています。これを聞き伝えた各地の酒造家が争って宮水を使うようになります。西宮の酒のはじまりの場所がここのようです。

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これが宮水を汲んだとされる「梅の木井戸」。
どうやらこれはモニュメント的なものらしい。

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周辺には各酒造メーカーの井戸場がたくさんあります。
こちらは宮水の発見者である山邑太左衛門氏の醸造元、桜正宗の宮水井戸場。

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菊正宗の宮水井戸場。

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宮水庭園にある大関の宮水井戸場。宮水庭園は、白鷹・白鹿・大関の三社の宮水井戸の敷地を合わせて平成9年(1997)に整備した場所です。

この地域に酒蔵がたくさん集まっているのは知っていましたが、宮水の井戸場がこのエリアだけに集中していることを今回始めて知りました。どこを掘っても酒造に適した宮水が出る訳ではないのですね。地上の高低差も面白いが、地下の地層を知るのもなかなか面白いのかもしれない。

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